ストレスは"平時"にこそ備えるべし
▶︎ストレスをもたらすストレッサーを知る
①物理的ストレッサー:気温、光、騒音
②化学的ストレッサー:タバコ、アルコール、大気汚染、埃
③生物学的ストレッサー:ウイルス、細菌、花粉、カビ
④心理的ストレッサー:不安、不満、怒り、緊張、悲しみ
⑤社会的ストレッサー:家庭環境、職場環境
ストレスが生じると、体内環境をホメオスタシス(恒常性維持機能)が働き、歪みのない状態へ戻そうとする。
そこで真っ先に反応するのは自律神経。交感神経が興奮し、血圧や心拍数を上げて血流を増やし、ストレッサーと「戦うか逃げるか」の態勢を作る。(緊張状態)
続いて反応するのが、ホルモン系。血糖値を上げるコルチゾール等のストレスホルモンが分泌される。
それらストレス反応が長引くと、自律神経もホルモン系も乱れて、免疫系までダメージを受けてしまい、病気に罹りやすくなる。
好物が一人ひとり違うように、何がストレスに効くかは個人差がある。
また、ストレスは早めに対応するのが鉄則なので、疲労が溜まってからでは遅い。
「まだまだ軽い」と感じる"平時"のうちに、色々な方法を試して、自分にフィットする対処法を多く持っておくと良い。
ストレスと食欲
ストレスに反応する自律神経の中枢は、食欲の中枢と同じ「視床下部」にあるため、ストレスがあると食欲は乱れる。多くの場合がストレス下では食欲が増して太りやすい。
しかしそれは、摂取エネルギーを多くしてストレスと戦える態勢を整えようとする正常な反応である。
また、食事には自律神経の偏りを正す作用もある。ストレス下では交感神経が優位になりやすいが、食事をすると強化吸収を促すために副交感神経へ切り替わる。
ドーパミンと依存行動
ドーパミンとは、脳内で作られる神経伝達物質で、快楽をもたらす。
過剰なストレスに長く曝されていると、ドーパミンが出にくくなるため、それを補う反応として、多くの人はドーパミン分泌を促すアルコールやタバコ、ゲームなどに走るようになる。そしてドーパミン欲しさに嗜好品等に頼り続けると、依存症に陥る。
▶︎「喫煙者の食後の一服」の原理
当然、食事でもドーパミンは分泌されるが、嗜好品に依存しすぎるとそれ以外ではドーパミンが出にくくなる。つまり「喫煙者の食後の一服」は、食事で満腹になってもドーパミンが出にくくなっている証拠である。
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「体幹」「背骨」「自律神経」という流れから、
今回は「ストレス」を取り扱ってみました。
ストレスの正体とその原理を知ることで、
自分がどんなストレスを抱えやすいのか?
どんな対策が準備できるのか?
が見えてくるように思います。
またストレスの蓄積には3ステップあると言い、
①変化によるマイナス面よりプラス面が大きい段階
②変化によるマイナス面がプラス面より大きい段階
③それらを放置するor気合いで乗り越えようとして悪化した段階
となっているそうです。
加えてマインドフルネスやアロマなど「疲労回復術」が効果的なのは第1段階までで、第2段階からは心身を休める以外、方法はないとのこと・・・
だからこそ、まずは食事や睡眠等の生活リズムを守ることは大前提として・・・
ストレスの早期発見・早期治療を意識し、
"ストレスを誤魔化す解消法"ではなく、
"ストレスの原因にアプローチする解消法"にもちゃんと向き合っていく必要があるのでしょう。
ばやし